走れる目安は「タイヤの半分」まで!水位別の危険度ガイド
車は雨の中を走ることは想定して作られていますが、「水が溜まった場所を走る」ようには作られていません。走行中の水深や状況に応じた危険度を正しく把握しておきましょう。
【水深別】車の危険度と走行可否の目安

10cm未満:安全に走行可能
一般的な大人の足首くらいの水深です。基本的には乗用車でも安全に走行可能です。ただし、スピードを出しすぎると周囲への水跳ねや、予期せぬトラブルの原因になるため、速度を落として慎重に運転しましょう。10cm〜30cm(タイヤの半分):【警戒】走れる限界ライン
大人のふくらはぎから膝下あたりの水深です。一般的な乗用車のタイヤの半分、ちょうど「マフラーの排気口」や「車の床面(フロア)」に達するレベルです。この高さは自力で安全に走れる限界の境界線です。速度が速いと跳ね上がった水がエンジンに入り込むため、ゆっくりと「超徐行」で駆け抜ける必要があります。
30cm〜60cm:【一発アウト】非常に危険
多くの車の場合、タイヤが完全に水に浸かり、ボンネットの手前まで水が来る高さです。この水深になると、車の床下から一気に車内へ浸水が始まる恐れがあります。電気系統がショートしてエンジンが停止するリスクが跳ね上がり、車がいつ動かなくなってもおかしくありません。60cm以上:【命の危険】即脱出が必要
水深が60cm以上になると、車体がプカプカと水に浮き始めます。タイヤが地面から離れるため、ハンドルもブレーキも一切効きません。さらに、外からの激しい水圧によってドアが開かなくなり、車内に閉じ込められる致命的な事故につながります。参照:
冠水路を走り切れる? 水深30cmと60cmで検証したJAFユーザーテストを公開!
大雨で冠水した道路は危険?対策と走行時の注意点を解説|JAFトレコラム
車種によって「冠水の強さ」は違う?車種別の注意点
「私の車は車高が高いから大丈夫」「電気自動車(EV)だからマフラーがないし平気では?」と思う方もいるかもしれません。しかし、車種ごとに異なる特性とリスクがあります。

軽自動車・セダン・ミニバン|床面が低いため特に注意
一般的な軽自動車やセダン、ファミリー層に人気のミニバンは、乗り降りをしやすくするために「最低地上高(地面から車体底面までの高さ)」が低めに設計されている車両が多いです。そのため、わずか20cm〜30cmの水深でもすぐに床面まで水が達してしまいます。特に軽自動車は車体自体が軽いため、水深が深くなると車体がプカプカと浮きやすく、タイヤが地面から離れてハンドルやブレーキが一切効かなくなるリスクが高いです。
SUV|車高は高いが「過信」は絶対に禁物
悪路に強いSUV(スポーツ用多目的車)は、最低地上高が200mm以上あるモデルもあり、一般的なセダンに比べて冠水路に強いです。しかし、「SUVだから行けるだろう」と過信して深い冠水路に突っ込み、そのまま動けなくなるトラブルが多発しています。水深が60cmを超えれば、どれほど頑丈な四輪駆動のSUVであっても、走行速度によってはエンジンへの浸水や車体の浮遊は避けられません。
電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)|感電の心配は?
「EVやHVはマフラーがないから水に強い」と言われることがあります。確かに排気ガスを出さないため、マフラーからの浸水によるエンジン停止はありません。しかし、EVやHVには超高電圧のバッテリーや複雑な電子機器が床下にびっしりと敷き詰められています。
高度な防水対策が施されているため、水に入った瞬間に感電することはありませんが、水が内部に侵入すれば安全装置が働き、システムが自動的にシャットダウン(強制停止)することがあります。一度止まれば、普通のガソリン車よりも復旧が難しくなるケースが多いです。
参照:
冠水路走行テスト 〜電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)・ガソリン車で検証〜(JAFユーザーテスト)
冠水路走行テスト(JAFユーザーテスト)
もし目の前の道路が冠水していたら?ドライバーが取るべき3つの行動

運転中、前方の大通りや交差点が冠水しているのを見つけたら、パニックにならずに次の行動を徹底してください。
濁った茶色い水の中は、実際の深さが外見からは全くわかりません。「前の車が行けたから」とついて行ったら、中央部が深くなっていて自分の車だけ取り残された、という事例は数え切れないほどあります。
少しでも道路が光って見えたり、水が溜まっていると感じたりしたら、迷わずハザードランプをつけて安全な場所に引き返すか、遠回りでも迂回ルートを選んでください。
アンダーパスとは、鉄道や他の道路の下をくぐるように一段低くなっている立体交差の道路のことです。
すり鉢状の構造になっているため、周辺の雨水が一気に集中します。入り口付近は水深数センチに見えても、最下部に行くと一瞬で1メートル以上の水深(車が完全に沈む深さ)になっていることがあります。
大雨の日は、カーナビがアンダーパスを指示しても絶対に進入せず、側道へ逃げてください。
@ 基本は「引き返す」「迂回する」
「これくらいなら行けるだろう」という思い込みが一番危険です。濁った茶色い水の中は、実際の深さが外見からは全くわかりません。「前の車が行けたから」とついて行ったら、中央部が深くなっていて自分の車だけ取り残された、という事例は数え切れないほどあります。
少しでも道路が光って見えたり、水が溜まっていると感じたりしたら、迷わずハザードランプをつけて安全な場所に引き返すか、遠回りでも迂回ルートを選んでください。
A アンダーパスには絶対に進入しない!
道路冠水による死亡事故が最も多く発生するのが「アンダーパス」です。アンダーパスとは、鉄道や他の道路の下をくぐるように一段低くなっている立体交差の道路のことです。
すり鉢状の構造になっているため、周辺の雨水が一気に集中します。入り口付近は水深数センチに見えても、最下部に行くと一瞬で1メートル以上の水深(車が完全に沈む深さ)になっていることがあります。
大雨の日は、カーナビがアンダーパスを指示しても絶対に進入せず、側道へ逃げてください。
B どうしても通過せざるを得ない場合は「超徐行(ローギア)」で
避難などの理由で、どうしても数センチ〜十数センチ程度の浅い冠水路を通過しなければならない場合は、以下の手順で走ります。- 時速10km以下(人が歩くくらいの早さ)にスピードを落とす。
- オートマ車ならシフトを「L(ロー)」または「1速(マニュアルモード)」にする。
- 途中でアクセルを緩めず、一定の速度で静かに走り抜ける。
運転席からどう見る?「縁石」や「タイヤ」でわかるOK・NGの判断基準

大雨やゲリラ豪雨の際、運転席から道路の正確な水深を測ることは不可能です。しかし、周囲にある「あるモノ」に注目すれば、進むべきか引き返すべきかの判断基準になります。
道路の端にある「歩道の縁石(ブロック)」に注目してください。一般的な縁石の高さは約15cm〜20cm程度です。
前方を走っている車がある場合は、その車の「後ろタイヤ」を観察しましょう。
前の車のタイヤが半分以上水に沈んでいる、あるいは水がバンパー(マフラーの高さ)まで達して波を立てている場合は、そこはもう危険地帯です。絶対に後を追ってはいけません。
鉄道や他の道路の下をくぐるように一段低くなっている立体交差(アンダーパス)は、大雨の日は「水没の罠」になります。すり鉢状の構造のため、周辺の雨水が一気に集中し、外見は浅そうに見えても中央部は水深数メートルに達していることがあります。大雨の日にアンダーパスへ進入するのは論外であり、絶対に避けて安全な場所へ迂回してください。
縁石が見えるか

道路の端にある「歩道の縁石(ブロック)」に注目してください。一般的な縁石の高さは約15cm〜20cm程度です。
- 縁石がはっきり見えている
水深10cm未満なので、スピードを落とせば通過可能です。 - 縁石が水に隠れて見えない
水深が20cm以上になっている証拠です。「タイヤの半分」に達している可能性が高いため、無理に進まず迂回を検討してください。
前の車のタイヤを見る

前方を走っている車がある場合は、その車の「後ろタイヤ」を観察しましょう。
前の車のタイヤが半分以上水に沈んでいる、あるいは水がバンパー(マフラーの高さ)まで達して波を立てている場合は、そこはもう危険地帯です。絶対に後を追ってはいけません。
アンダーパスは論外

鉄道や他の道路の下をくぐるように一段低くなっている立体交差(アンダーパス)は、大雨の日は「水没の罠」になります。すり鉢状の構造のため、周辺の雨水が一気に集中し、外見は浅そうに見えても中央部は水深数メートルに達していることがあります。大雨の日にアンダーパスへ進入するのは論外であり、絶対に避けて安全な場所へ迂回してください。
なぜ水の中を走るとダメなの?「水飲み込み」でエンジンが壊れる理由

車が水に浸かると、なぜ一瞬で動かなくなってしまうのでしょうか。その理由は、心臓部であるエンジンに水が入るからです。
エンジンが空気を吸い込むダクトから水を吸い込んでしまう(水飲み込み)と、ピストンが水を圧縮しようとした瞬間に、ものすごい衝撃で行き場を失い、内部の金属パーツがグニャリと曲がったり折れたりします。
これを「ウォーターハンマー現象」と呼び、これが起きるとエンジンは一瞬で全損(廃車、あるいは高額な載せ替え)になります。
さらに、水が引いた後も内部に残った水分が電子基板をジワジワと腐食させ、時間経過によって完全に故障してしまいます。
エンジン内部で起こる致命的なダメージ
エンジンは、空気と燃料を混ぜてギュッと圧縮し、爆発させることで動いています。空気は縮めることができますが、「水」はどれだけ強い力をかけても縮みません。エンジンが空気を吸い込むダクトから水を吸い込んでしまう(水飲み込み)と、ピストンが水を圧縮しようとした瞬間に、ものすごい衝撃で行き場を失い、内部の金属パーツがグニャリと曲がったり折れたりします。
これを「ウォーターハンマー現象」と呼び、これが起きるとエンジンは一瞬で全損(廃車、あるいは高額な載せ替え)になります。
電気系統と時間経過による被害
車は巨大な精密機械です。床下やエンジンルームには無数の配線やコンピューター(ECU)が配置されています。これらが水に浸かると、一瞬でショートして火花が散り、システムが機能停止します。さらに、水が引いた後も内部に残った水分が電子基板をジワジワと腐食させ、時間経過によって完全に故障してしまいます。
一瞬の判断がもたらす悲劇
「バックするのも面倒だから、勢いをつけて通り抜けよう!」という一瞬の不適切な判断が、愛車を鉄くずにしてしまう悲劇を招きます。水の中を勢いよく走ると、自車のフロントガラスに向けて大きな「水跳ね(波)」が起き、エンジンに水を流し込んでしまいます。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)は「感電」に注意が必要?

マフラーがないEVやHVは水に強そうに見えますが、特有のリスクが存在します。
感電のリスクについて
EVやHVの床下には、数百ボルトという超高電圧のバッテリーが搭載されています。「水に浸かったら感電するのでは?」と不安になりますが、自動車メーカーは非常に強固な防水対策と、異常を検知したら一瞬で電気を遮断する安全装置(漏電ブレーカー)を搭載しています。そのため、水に浸かったからといって、すぐに感電する危険性は低いです。本当に怖いのは修理費
感電のリスクは低くても、水没のリスクはガソリン車以上です。高電圧バッテリーや駆動モーターの内部に水が侵入し、安全装置が働いてシステムが強制停止すると、普通の整備工場では対応が難しいことが多いです。バッテリーを丸ごと交換することになり、ガソリン車を遥かに超える超高額な修理費(100万円〜数百万円)がかかる可能性があります。後発火災のリスク
EVやHVが水没した際、本当に怖いのは「時間が経ってからの火災」です。バッテリー内部に浸入した水(特に塩水や泥水)が原因で、数日〜数週間後に内部ショートを起こし、駐車場で突然激しく発火するケースが世界中で報告されています。もし車の中に閉じ込められたら?国土交通省が推奨する「水没車両からの脱出4ステップ」

万が一、愛車が水没して車内に閉じ込められてしまったら、一刻を争います。国土交通省の安全ガイドライン(報道発表資料)でも推奨されている、命を守るための正しい脱出手順をわかりやすく解説します。
車が冠水路ではまって動かなくなったら、周囲の水位が低く、電気が通じているうちに一刻も早くドアを開けて車外へ避難してください。「まだ大丈夫だろう」と車内にとどまるのが一番危険です。
外の水位が上がると、水圧に邪魔されて大人の力でもドアが開かなくなります。その場合は、ただちに左右の窓を開け、窓の隙間から脱出を試みてください。
※注意:先にエンジンを切ってしまうとパワーウィンドウが動かない場合があります。必ず「窓を開けてから」エンジンをオフにしてください。
すでに電気系統がショートして窓がビクともしない場合は、車載用の脱出用ハンマー(緊急脱出用ポンチ)で窓ガラスを割ります。ただし、車のフロントガラスは「合わせガラス」という頑丈な構造になっているため、ハンマーを使っても割れません。必ず「サイドガラス(横の窓)」を叩いてください。
(※近年の新型車や高級車の一部には、サイドガラスやリアガラスにも合わせガラスが採用されているケースがあるため、愛車の仕様を事前に確認しておくことが大切です)
窓も割れず、完全に閉じ込められてしまっても、決してあきらめないでください。
あえて車内にある程度水が侵入してくるのを待ちます。浸水によって「車内の水位」と「外の水位」が同じくらいになると、外と内の水圧の差がなくなるため、再びドアが開く可能性が格段に高まります。
車内に水が満ちてくる恐怖はありますが、落ち着いてタイミングを見計らい、足などで一気にドアを押し開けて脱出してください。
(出典:国土交通省「自動車ユーザーの皆様へ ―車両からの脱出手順について―(PDF)」)
@ 【最優先】水位が低いうちにドアを開けて脱出する

車が冠水路ではまって動かなくなったら、周囲の水位が低く、電気が通じているうちに一刻も早くドアを開けて車外へ避難してください。「まだ大丈夫だろう」と車内にとどまるのが一番危険です。
A 水圧でドアが開かない場合は「窓(サイドガラス)」を開けて脱出する

外の水位が上がると、水圧に邪魔されて大人の力でもドアが開かなくなります。その場合は、ただちに左右の窓を開け、窓の隙間から脱出を試みてください。
※注意:先にエンジンを切ってしまうとパワーウィンドウが動かない場合があります。必ず「窓を開けてから」エンジンをオフにしてください。
B ドアも窓も開かない場合は「脱出用ハンマー」で窓を割る

すでに電気系統がショートして窓がビクともしない場合は、車載用の脱出用ハンマー(緊急脱出用ポンチ)で窓ガラスを割ります。ただし、車のフロントガラスは「合わせガラス」という頑丈な構造になっているため、ハンマーを使っても割れません。必ず「サイドガラス(横の窓)」を叩いてください。
(※近年の新型車や高級車の一部には、サイドガラスやリアガラスにも合わせガラスが採用されているケースがあるため、愛車の仕様を事前に確認しておくことが大切です)
C 万が一、それでも脱出できない場合もあきらめない!

窓も割れず、完全に閉じ込められてしまっても、決してあきらめないでください。
あえて車内にある程度水が侵入してくるのを待ちます。浸水によって「車内の水位」と「外の水位」が同じくらいになると、外と内の水圧の差がなくなるため、再びドアが開く可能性が格段に高まります。

車内に水が満ちてくる恐怖はありますが、落ち着いてタイミングを見計らい、足などで一気にドアを押し開けて脱出してください。
(出典:国土交通省「自動車ユーザーの皆様へ ―車両からの脱出手順について―(PDF)」)
【最重要】水が引いた後ならエンジンをかけてもいい?
クルマから脱出できた後は、たとえ周囲の水が引いたとしても自分でエンジンを再始動してはいけません。国交省の資料でも、ショートによる車両火災の危険性が警告されています。
参照:浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ|国土交通省

なぜエンジンをかけてはいけないのか
見た目は乾いているように見えても、マフラーの奥やエンジン内部、電気配線に水や泥が残っています。その状態でキーを回したりスタートボタンを押し、無理にエンジンをかけようとすると、残った水をエンジンが吸い込んでその瞬間に完全破壊(ウォーターハンマー)されたり、電気系統がショートして「車両火災(通電火災)」を引き起こし、車が炎上する原因になります。正しい対処法
まずは自身の安全を確保し、その後はJAF(日本自動車連盟)や、加入している自動車保険のロードサービスに連絡し、レッカー車で整備工場やディーラーへ移動してもらい、プロの点検を受けましょう。参照:浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ|国土交通省
修理代はいくらかかる?「直す」か「買い替える」かの目安
水没してしまった車を直すべきか、諦めて買い替えるべきかの判断基準とお金の目安です。
床下の掃除だけの場合(費用目安:数万円〜10万円程度)
マフラーに少し水が入った、あるいは床下が泥で汚れた程度で、エンジンや車内に水が入っていなければ、洗浄と乾燥だけで済みます。この場合は比較的安価に直せるため、修理して乗り続けるのが現実的です。シートまで浸水した場合(費用目安:30万円〜50万円以上)
シートの座面まで水が来ると、車内のフロアカーペットの全交換に加え、シート内部のクッションの洗浄、各部電子パーツの交換が必要です。修理費用がかさむだけでなく、後述する「臭い」の問題が残るため、買い替えを検討し始める目安になります。エンジンまで浸水した場合(費用目安:50万円〜100万円以上)
エンジンが水を吸い込んで壊れた場合、エンジンの載せ替え(交換)が必要になります。ハイブリッド車ならさらに高額になります。修理費用が車の現在の価値(時価)を大幅に超えるため、直すメリットはほぼありません。買い替えを検討すべき目安
修理見積もりが「車の現在の価値(時価)」を超えたとき、あるいは「シートの座面以上まで水が浸かったとき」は、買い替えを検討するのがおすすめです。一見直ったように見えても、後から次々と不具合が出てくるためです。冠水した車に無理に乗るとどうなる?後からやってくる3つの恐怖
「一応動くから」と、冠水した車にそのまま乗ることを選択すると、後から恐ろしい現実が襲いかかります。
JAFのサイトでも注意喚起されていますが、2004年8月に香川県高松市を襲った台風16号の高潮被害では、海水に浸かった自動車が、水が引いたあとに次々と自然発火を起こす事態が発生しました。
海水に含まれる塩分は、真水とは比較にならないほど高い導電性(電気を通す性質)を持っています。これが電気配線に付着すると、バッテリーからの電流によって激しい漏電(ショート)が発生し、その発熱によって周囲の樹脂パーツや内装が文字通り「発火」します。
恐ろしいのは、一度車両が乾燥したあともリスクが続く点です。配線に残った塩分は「吸湿性」が非常に高いため、雨の日や夜間の湿気を吸うことで再び電気を通してしまい、誰も乗っていない駐車場で突然、激しい火災を引き起こす引き金になります。
一度でも海水混じりの水に浸かってしまった車は、見た目が綺麗に乾いているように見えても絶対にそのまま放置したり、自分でエンジンをかけたりせず、必ずプロにレッカー移動と点検をお願いしてください。
参照:台風・大雨時のクルマに関する注意点|JAF
消えない悪臭とカビの地獄
冠水した水は、ただの雨水ではなく、下水や泥、泥水に含まれる雑菌が混ざった汚水です。これがシートやフロアの断熱材に染み込むと、数日後から「雑巾が腐ったような猛烈な悪臭」を放ち始めます。どれだけ消臭スプレーをかけても、天日干しをしても、内部でカビが繁殖するため、残念ながらニオイは簡単には消えません。忘れた頃にやってくるサビと故障
水に浸かった金属パーツや電気配線は、時間が経つにつれてジワジワとサビ(腐食)が進行します。水害に遭った直後は普通に動いていても、数ヶ月後に「突然エアコンが壊れた」「走行中にパワステが効かなくなった」「警告灯が消えない」といった、原因不明のトラブルが連発することになります。海水の塩分による自然発火
最も警戒すべきリスクが「海水(塩分)の残留による車両の自然発火」です。JAFのサイトでも注意喚起されていますが、2004年8月に香川県高松市を襲った台風16号の高潮被害では、海水に浸かった自動車が、水が引いたあとに次々と自然発火を起こす事態が発生しました。
海水に含まれる塩分は、真水とは比較にならないほど高い導電性(電気を通す性質)を持っています。これが電気配線に付着すると、バッテリーからの電流によって激しい漏電(ショート)が発生し、その発熱によって周囲の樹脂パーツや内装が文字通り「発火」します。
恐ろしいのは、一度車両が乾燥したあともリスクが続く点です。配線に残った塩分は「吸湿性」が非常に高いため、雨の日や夜間の湿気を吸うことで再び電気を通してしまい、誰も乗っていない駐車場で突然、激しい火災を引き起こす引き金になります。
一度でも海水混じりの水に浸かってしまった車は、見た目が綺麗に乾いているように見えても絶対にそのまま放置したり、自分でエンジンをかけたりせず、必ずプロにレッカー移動と点検をお願いしてください。
参照:台風・大雨時のクルマに関する注意点|JAF
車両保険は使える?台風・豪雨と地震・津波の違い
愛車が冠水してしまった時、自動車保険(車両保険)の利用が可能かどうかは非常に重要なポイントです。
これは、大規模な地震や津波による被害は予測や損害額の算定が極めて困難であり、民間保険会社の引受キャパシティを超える可能性があるためです。もし津波リスクに対抗するには、通常の車両保険とは別に「地震・噴火・津波車両全損時一時金特約」といった特殊な特約を事前に追加契約しておく必要があります。
このように、同じ「水没」という現象でも、引き金となった自然災害の種類によって法的な解釈や補償の有無が180度異なるという現実を正しく認識しておく必要があります。
台風やゲリラ豪雨による冠水は対象
一般的な「車両保険」に加入していれば、台風、ゲリラ豪雨、洪水による冠水被害は補償の対象になります。補償範囲が広い「一般型」だけでなく、補償を限定した「エコノミー型」であっても、水害はカバーされるのが一般的です。全損と認められれば、設定している車両保険金額の上限まで保険金が支払われます。等級ダウンのデメリット
車両保険を使って修理、または買い替えを行うと、翌年の保険の等級が「1等級」下がります。また、「事故有期間」が1年加算されるため、翌年の保険料が高くなります。修理代が数万円程度で済む場合は、保険を使わずに自費で直した方がトータルで得になることもあるので、保険会社や販売店に確認しましょう。地震・津波は対象外という現実
一方で、最も注意しなければならないのが「被災の根本原因」です。見た目は同じ「水没・流失」という被害であっても、その原因が「地震によって発生した津波」であった場合、通常の車両保険では一律で免責(補償対象外)となります。これは、大規模な地震や津波による被害は予測や損害額の算定が極めて困難であり、民間保険会社の引受キャパシティを超える可能性があるためです。もし津波リスクに対抗するには、通常の車両保険とは別に「地震・噴火・津波車両全損時一時金特約」といった特殊な特約を事前に追加契約しておく必要があります。
このように、同じ「水没」という現象でも、引き金となった自然災害の種類によって法的な解釈や補償の有無が180度異なるという現実を正しく認識しておく必要があります。
水没した車を少しでも高く手放す方法は?
「水没して動かなくなっちゃったし、処分するのにお金がかかるだけかも…」と諦めるのは早いです。
実は、普通の中古車屋さんやディーラーの下取りだと「価値はありません」と言われてしまい、逆に処分代やレッカー代を請求されてしまうことがほとんどです。しかし、手放すときに「廃車買取の専門業者」を選ぶと、ガラリと話が変わります。
廃車買取では、使えるパーツを丁寧に取り外して再販したり、金属を資源としてリサイクルしたりする独自のルートを持っています。そのため、動かない水没車でも、思わぬ値段で買い取ってくれるケースがあります。さらに、レッカー代や面倒な書類手続きを「すべて無料」で引き受けてくれる業者も多いのです。
ただ、査定をお願いするときは「水没してしまったこと」を必ず正直に伝えてください。隠していてもプロの目にはすぐにわかりますし、後から契約解除などのトラブルに発展するリスクがあります。最初から水没車として正しく査定してもらいましょう。
実は、普通の中古車屋さんやディーラーの下取りだと「価値はありません」と言われてしまい、逆に処分代やレッカー代を請求されてしまうことがほとんどです。しかし、手放すときに「廃車買取の専門業者」を選ぶと、ガラリと話が変わります。
廃車買取では、使えるパーツを丁寧に取り外して再販したり、金属を資源としてリサイクルしたりする独自のルートを持っています。そのため、動かない水没車でも、思わぬ値段で買い取ってくれるケースがあります。さらに、レッカー代や面倒な書類手続きを「すべて無料」で引き受けてくれる業者も多いのです。
ただ、査定をお願いするときは「水没してしまったこと」を必ず正直に伝えてください。隠していてもプロの目にはすぐにわかりますし、後から契約解除などのトラブルに発展するリスクがあります。最初から水没車として正しく査定してもらいましょう。
まとめ:愛車と命を守るために「無理をしない」が正解!

※この画像はNotebookLM(AI)にて生成
「これくらい大丈夫」という油断は、高額な修理代や命の危機を招きます。冠水路を見つけたら「タイヤの半分に達する前に引き返す」が鉄則です。もし車が水に浸かってしまったら、絶対にエンジンはかけず、速やかにJAFや整備工場などのプロに相談してください。
災害は突然やってきます。今すぐできる備えとして、「車載用脱出ハンマー」を運転席の近くに常備すること、そして「車両保険がついているか」の確認を、今日のうちに必ず行っておきましょう。今回の記事やJAFの資料などを参考にしながら正しい知識を身につけ、万が一の事態からご自身と家族の命、そして愛車を守ってください。
災害は突然やってきます。今すぐできる備えとして、「車載用脱出ハンマー」を運転席の近くに常備すること、そして「車両保険がついているか」の確認を、今日のうちに必ず行っておきましょう。今回の記事やJAFの資料などを参考にしながら正しい知識を身につけ、万が一の事態からご自身と家族の命、そして愛車を守ってください。
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