仙台市では、2014年5月に市役所の日常業務に使用する公用車として、電気自動車「i-MiEV(三菱自動車工業)」を導入致しました。同様に2013年8月12日、宮城県では経済産業省が実施している補助事業「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」に伴う充電器設置の補助制度を受け、「宮城県次世代自動車充電インフラ整備ビジョン」が公表されています。実は仙台市、如いては宮城県では、未だ記憶に新しい2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、電気自動車(EV自動車)とその充電設備の普及を積極的に推し進めています。何故震災以降というタイミングにおいて、そのような動きが活発になったのでしょうか。震災で被害を受けた仙台市では、ガソリンの不足状態による交通網の遮断が大きな問題となりました。その際、ガソリンやガスに比べて比較的早期に回復した電力を使用したEV自動車が、大きく活躍したことが理由の一つに挙げられます。さらに、万が一災害発生時に電力の供給が長期にわたってストップした場合、このEV自動車を予備バッテリーとする「災害時向け給電システム」として活用することを視野に入れました。仙台市では2011年11月頃より日産自動車と共同で、同社のEV自動車「日産リーフ」の駆動用バッテリーから避難所や防災拠点などの公共施設へ電力供給するシステムの実証実験を開始しています。仙台市内のEV自動車や充電設備の数(※右図参照)はまだまだ充分と呼べる状況には程遠いですが、震災の経験を生かしてこそ可能となる次世代技術の発展と施策に、引き続き注目が集まります。